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2017年09月21日

古代の竪穴住居跡にあるシラカシ林

こんにちは、辰尾です。
先週の3連休は、あいにく台風18号が日本列島を縦断したので大雨や強風に注意をして、おとなしくしていなければならない休みでした・・・が最終日には一転して台風一過の青空と、真夏日の暑さと想定外の天気になりました。
以前、石神井公園にブナを見つけて感動したことがありましたが、石神井公園よりももっと近くにもっと古い時代の自然が残っている場所があると聞き連休の最終日に行ってきました。川崎市にある東高根森林公園です。
この森林公園は、多摩丘陵の東部、川崎市のほぼ中央部に位置した神奈川県立公園です。現在この場所は、弥生時代から古墳時代にかけて営まれた竪穴住居跡が発見され、合わせて周囲のシラカシ林(推定樹齢150~200年)が、非常に価値の高い植物群落である為、県ではこれら集落跡とシラカシ林を史跡及び天然記念物に指定して、県立都市公園として整備したものです。

 

 

 

 

 

 

この公園のシラカシ(白樫)は、ブナ科コナラ属の常緑高木です。コナラ属のカシの仲間は、シラカシの他にアカガシ、アラカシ、ウラジロガシ、ウバメガシ、イチイガシ等があります。
シラカシは材の断面が淡褐色ですが、アカガシより色が淡く白っぽいのでシラカシと呼ばれるようになったようです。アカガシは葉が幅広で長さ15cmほどと大きく葉の縁のギザギザがないのですが、シラカシの葉は細長く小ぶりで縁にギザギザがあることより容易に区別できます
カシの仲間は材が堅い事から「堅(かたし)」がカシと呼ばれるようになり、樫と言う漢字は「堅い木」と書きます。材が硬いことから古くから建築材、器具材などに利用され、また薪炭材やシイタケの原木などに広く使用されてきました。特にウバメガシは、良質の炭である備長炭の原材料として有名です。(ウバメガシ、イチイガシは暖地性であり、多摩丘陵では確認されていませんが・・・)
シラカシの木には小ぶりなドングリの実が沢山生っていましたが、まだ青く、これから秋に向けて熟して褐色になっていきます。
日本の樹木のドングリは、形や大きさはまちまちですが、コナラ属15種類、マテバシイ属2種類、シイ属2種類、クリ属1種類、ブナ属2種類の22種類が分類されています。
これらは、森に生息する動物達にとって貴重な食料となっています。しかし、人間の食料としてクリ以外はスダジイやマテバシイ等限られたものだけで、大半が渋抜きに相当の労力を掛けなければ食べられるようになりません。一方都市公園としての成り立ちから、人間の工作品の材料になったり、子供たちの遊ぶ道具になったりしています。
古代の風を感じてみたい方、子供とドングリ拾いをしたり、拾ったドングリでヤジロベーやコマを作って一緒に遊ぶ時間を作ってみたい方、是非、東高根森林公園に行くことをお勧めします。

 

シラカシ林       シラカシの実(ドングリ)

 

 

 



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